親父様が買ってきて「面白かった」と回覧してくれた本。
宮崎アニメに対して、いろんな人がいろんな文を寄稿し、対談するという体裁。
個人的にお目当てだったのは、なんといっても押井守×上野俊哉対談。
宮崎・押井・庵野の三監督はお子ちゃまの頃からリアルタイムで作品を見てるわけで、やっぱりその独特の力関係みたいなもんが見え隠れする点で気になる。
三人に対する好きの種類は違ってて、宮崎監督の木のおもちゃみたいな手触りも好きだし、「いやーん、これって〇〇にでてきた〇〇ちゃうん」的なツボを突いてくる庵野監督も好きだけど、一見懐かしいフォルムなんだけどさわると冷やっこい感触の押井監督に一番耽溺してしまう。
そんなこんなでちょっとどきどきしながら読んだ。
やっぱりそうだったのかー(意味不明)
押井監督>宮崎監督はオイディプスコンプレックスやんね、という話が前々からアニメマニアなおいちゃんたちの間にあったみたいだけど、そうです、と押井監督自身が言ってしまっている。
庵野監督は三人のポジショニングではお孫さんの立位置なんだと。
なーるほどなー(ふむふむ)。
モノを作る人っていうのは色々抱えてぶつかり合いながらやってるのね。
そういう内幕があって、楽しい物語を作っている人が実はこうなんです!といわれたところで「で?作ったものは変わらんやん」なのだけど、内幕がちらり見えるのは嬉しい。
そりゃ聖人君子ばっかりでモノ作っとったら不気味やわ。
10ページほどの冊子作るのだって、編集やライターやデザイナーやクライアントの間で延々綱引きをやった結果出来上がるもんなのに、あんなでかいモノ作るのにのほほんと仕事しているわけがない。
だから、色々あるんだよ、と言われて逆に安心した。
あと、別のコーナーでオタクとマニアの違いについて言及していたのも個人的ヒット。
数年前から私の二つ名というかキャッチコピーは「オタクのサラブレッド」だった。
しかし、親父様は断固として「オタクじゃなくてマニア」を自称し続けて来たので、オタクとマニアはどうちゃうねん、と疑問に思っていた。
マニアはそれがダメでも好き、オタクはそれがダメだから好き。
つまり、世間的に低俗と言われるようなものでも、お構いなしに自分が好きだから良い、という愛好家はマニア。
それに反して、自分が愛好するものが世間的に低俗とされるがゆえに、愛おしさが倍増する仕組みを脳に内蔵しているのがオタク。
はっ!そういう捉え方もできるのか。
じゃあおいらはオタクかマニアかと言われれば、マニアだわ。
これって暴露本だわね
2005年2月8日