“成功の復讐” と日本の話

2010年11月22日


『“成功の復讐”を乗り越えれば日本企業は2025年に復活する!?』韓国 月刊朝鮮の記事
クーリエ・ジャポン11月号掲載
記事の趣旨は、日本は明治維新以降、40年周期で浮沈を繰り返している、今下降線を辿っているのは2020年までで、そこからまた新たなパラダイムのもとで上昇するだろうという内容。
確かに、明治維新前後の混乱から日露戦争の勝利、太平洋戦争の敗北、焼け野原からの復興と高度経済成長、バブル崩壊から失われた20年 (ってもうそろそろ経つよね) 、と大体40年周期で急激に上がったり下がったりしてるんだけど、だからと言ってここまでの130年と、次の「周期」はちょっと違うんじゃないの?と思ってしまう。
これまでの130年ほどというのは、日本という国が人口増加の途中にあって、その上で、たまたま外来のパラダイムや技術を取り入れてその持続的イノベーションを行うのに天才的に長けた民族集団だったから、坂の上の雲の時代も戦後の高度経済成長も世界史の奇跡のような上昇曲線を描くことができたように思う。
翻って現在を見てみると、明らかにこの国の人口は頭を強く打って減少に転じてるし、社会の雰囲気も国家の制度も、人口増加を謳いながらその反対になるようなことばかりしている。
本当はもう日本列島にこれ以上人間を増やすべきではないと無意識下で感じているような気さえする。
欧州や米国のように移民を受け入れるにはどの様にするべきかということも考えず、とにかく他人様にはウチのムラには入って来て欲しくないと言わんばかりだし。
人口減少期にあって、しかも持続的イノベーションを得意とする民族集団としては、何をすれば周囲に侮られず独立自尊を守って行けるのか、ちゃんと考えた方が良いと思う。
近代以降、日本人はいつも外からの刺激に反応する事でしか外と付き合っていない。
尖閣の事があってから、急に外交下手になったとか新聞あたりに書いてあるようだけど、日本が外交上手というか、ポリシーをもって行動しているのは上の周期で言う登り坂の時期だけじゃないのかと。
要するに我々は、調子が良いとすぐに図に乗ってその挙句盛大に道を踏み外し、大きな犠牲を払わないと新しいパラダイムに行く時期だと悟れない、おめでたい集団なのだと認めた方が、同じ失敗を何度も繰り返さなくて良いんじゃないのかな。