大阪高低差学会のブログの「東京と大阪の地形の違い」という記事に、東京と大阪の地形を分かりやすく示した図が掲載されていました。
そこから、大阪の方だけ抜き出して、うちの会社近辺をさらっとご紹介しようと思います。
丸で囲ったあたり、上町台地岬の北の突端付近です。
地図にざくっと書き込みしたのがこちら。
赤い点線が3D図の海岸線です。今の地形で言うと、大川と東横堀川(阪神高速環状線の下にあるので地図では分かりにくいです)にあたります。青い線はお祓い筋という名前がありますが、熊野街道です。この道をずーっと行くと天王寺を経由して奈良・和歌山に入ると熊野古道に変わり、熊野に至ります。平安時代に京都から来た熊野詣の参拝客がここで船を降りて陸路を歩いた巡礼の道です。
東横堀川はこんな感じの川です。船でクルーズするとなかなかステキですよ。
A、B、C地点では外出したついでに写真を撮ってきました。
A地点。北大江公園から西に向かって。ここから松屋町筋にかけて、少し急な坂があります。
B地点。北大江公園前のお祓い筋(熊野街道)を北の大川に向かって。良い感じの坂があります。ここは上町台地岬の北の突端です。
C地点。同じく岬の突端です。天満橋界隈の町歩きで必ず登場する、高倉筋の石段。この付近の石垣は豊臣時代以前のものもあるとか。
同じく大阪高低差学会の「大阪の地形について」という記事で、“低地と高台の境目には必ず歴史のある神社がある”ということが紹介されていました。
上町台地岬の突端にも、実はあります。それがD地点にある「座摩神社行宮」です。
「座摩神社行宮」は、府立労働センター(エル・おおさか)の向かい、アルフレッサファーマ(株)の隣にある小さいお社です。
本町の南御堂の隣にある座摩神社(ざまじんじゃ/いかすりじんじゃ)が、豊臣秀吉の大坂城築城に伴って今の場所に移転するまでは、ここにありました。この神社は神功皇后の三韓征伐の時に創建されたとされており、摂津国一宮ということから言えば、住吉大社と同じ格になります。また、「渡辺」という姓の発祥はこの神社です。
現在の座摩神社の入り口の鳥居は全国でも珍しい「三ツ鳥居」という形式で、これは奈良の大神神社(三輪神社)と同じです。三ツ鳥居は三輪系の神社で使われているようなのですが、座摩神社は三輪系ではないハズなんですよね。ただ、座摩神社行宮には「神功皇后の鎮座石」という大きな石があります。大きな石や山を神として祀るのは古神道の形なので、神功皇后以前から「大きな石を祀った神社」があったのかもしれないなーと想像しています。
このあたりも「なんだろーなー?」とわくわくするポイントです。神話の時代のニオイがしますねー。
今月半ばから大川沿いの桜も咲きはじめますし、天満橋近辺に散策に来られたら、これらのポイントも見ていただけると楽しめるかもしれませんね。
大阪高低差学会のカシミール3D図から天満橋近辺について
2013年3月20日